老いは病気だ!『老化』への新たなアプローチ
2024.11.28
人類は「老い」を克服できるのか? 最新の抗老化(アンチエイジング)研究で変わる「老い」の捉え方
医療の進歩で迎えた「人生100年時代」。新しい趣味やスポーツに挑戦し、年齢を感じさせないシニア世代も増えました。しかし、人類は「老い」を完全に克服できたのでしょうか? 現時点では答えは「NO」です。
しかし、近年世界中で進む「抗老化(アンチエイジング)」研究により、「老い」は単なる自然現象ではなく、介入可能な「病気」 として扱われつつあります。本記事では、「老いはなぜ起こるのか?」 「克服の可能性は?」といったテーマを最新の研究に基づいて解説します。
「老い」は「ゾンビ細胞」が原因?老化細胞の謎に迫る
年齢を重ねると病気やがんのリスクが高まるのは、DNAの傷や細胞の老化が進むからです。体内の細胞が紫外線やストレスでダメージを受けると、「老化細胞」になります。
この老化細胞は「ゾンビ細胞」とも呼ばれ、新陳代謝で除去されないまま体内に蓄積し、周囲の細胞に炎症を引き起こす有害物質を放出します。
ゾンビ細胞が蓄積すると、皮膚のしわや筋力の低下、動脈硬化、DNAが傷ついたり細胞の老化が進行。結果的にがんリスクの一因になってしまいます。この現象は人間だけでなく多くの生物に共通していますが、最新の研究が示すところではなんと老化細胞を除去する生物が存在するというのです。
ハダカデバネズミのアポトーシス
驚くべきことに、哺乳類の一種「ハダカデバネズミ」は老化細胞を蓄積せずに長寿を保つメカニズムを持っていることがわかってきました。
通常のネズミの寿命が2~3年であるのに対し、ハダカデバネズミの寿命は約30年。この生き物は、老化細胞ができるとすぐに「アポトーシス(細胞死)」という仕組みで除去してしまうのです。これにより、老化によるダメージが発生せず、若々しい体の状態が保たれます。
ハダカデバネズミの老化抑制メカニズムが応用されれば、人間の老化防止にも道が開ける可能性があります。今後の研究が期待される分野です。
WHOが「老い」を病気と認定
抗老化研究の進展を背景に、世界保健機関(WHO)は2022年、老化を疾病の一種と認定しました。国際基準である「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」に「老化関連」というカテゴリーを新設したのです。
この背景には、新型コロナウイルスの流行によって、高齢者のリスクが特に顕在化したことも関係しています。今回の改訂により、医療現場でも「加齢に伴う変化を予防や治療の対象とする」抗老化療法がますます注目されるでしょう。
老いは病気?克服への道が広がる現代
老化は今、医学的に介入可能な「病気」として捉えられる時代に突入しました。
抗老化研究の進展により、老いの進行を遅らせる、あるいは防ぐ新たな方法が続々と出てくるかもしれません。
「老い」を諦めるのではなく、積極的に向き合う——これが私たちの選択肢になる未来は近いのです。