chronuva.com

アンガーマネジメントとは?怒りをコントロールして職場・家庭の人間関係を豊かにする実践法

2025.08.15

「また感情的になってしまった…」
「怒りをコントロールできず自分が嫌になる」
そんな後悔を繰り返していませんか?
 

職場でも家庭でも、怒りの感情は誰にでも起こります。しかし、その怒りに振り回されて大切な人間関係を傷つけてしまうのは誰しも避けたいはずです。
実は、怒りは「悪い感情」ではありません。上手に付き合えば、自分の気持ちを適切に伝える力に変えられます。
 
本記事では、怒りをコントロールして人間関係を豊かにするコミュニケーション手法「アンガーマネジメント」を具体的に紹介します。
今日から始められる実践的なテクニックで、感情に振り回されない自分を目指しましょう。
 

怒りをコントロールするアンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。

1970年代にアメリカで生まれたアンガーマネジメントは、企業研修や教育現場で幅広く活用されています。
職場でのハラスメント防止や家庭内の関係改善に効果が期待できます。
 
湧き起こる怒りをコントロールできれば、感情に振り回されることなく、適切に自分の気持ちを伝えられるようになるでしょう。
 
参考:怒りに支配されない自分をつくるアンガーマネジメント
 

怒りが人間関係に与える影響とは?アンガーマネジメントを学ぶ意義 

職場での怒りが引き起こす問題

職場で感情的になると、以下のような問題が発生します。
 
・部下との信頼関係が悪化し、業務効率が低下する
・チーム内の雰囲気が悪くなり、離職率に影響する
・管理職としての評価やキャリアに悪影響を与える
 
職場で部下や顧客に対し怒りに支配され、不適切な言動を取ると、パワーハラスメントとみなされる可能性もあるため注意が必要です。
 
厚生労働省によると、職場でのパワハラが原因で「会社を退職した人」はパワハラを受けたと回答した人の約14.9%、「しばらく仕事を休んだ人」は8.5%です。感情的な対応は人材の流出や欠員につながり、チーム全体のパフォーマンス低下を招く恐れがあります。
よって、部下を育てたいと思うならば、怒鳴るより冷静になるべきだといえるでしょう。
 
参考:厚生労働省 職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要 (令和5年度厚生労働省委託事業) p.14
 

家庭での怒りが与える深刻な影響

家庭内での怒りは、家族全体に大きな影響を与えます。
 
・夫婦関係が冷え込み、離婚リスクが増大する
・子どもの心理的発達に悪影響を与える
・家族全体のストレスが増加し、悪循環を生む
 
子どもが日頃から怒鳴られる環境で育つと、叱られることを恐れ、自発的な言動を控えるようになることも考えられます。子どもが健やかに育つためにも、家庭内でのアンガーマネジメントが重要といえるでしょう。
 

アンガーマネジメントを学ぶ意義

アンガーマネジメントを学ぶことで得られるメリットは以下のとおりです。
感情に振り回されず自分らしい人生を歩める
人間関係のストレスが大幅に軽減される
仕事でもプライベートでも本来の力を発揮できる
相手の立場や気持ちを理解する能力が向上する
怒りのエネルギーを建設的に活用できる
感情をコントロールできる人は周囲からの信頼も厚く、リーダーシップを発揮する機会も増えます。今日からアンガーマネジメントの実践を始めて、より充実した人間関係を築いていきましょう。
 
参考:怒りに支配されない自分をつくるアンガーマネジメント
 

アンガーマネジメントで人間関係を良好にする3つの実践テクニック 

1.6秒ルール:怒りのピークを乗り切る方法

怒りの感情は6秒でピークを迎えるといわれています。この6秒間を上手に乗り切ることで、感情的な言動を予防できます。
 
6秒ルールとは、怒りを感じたら心の中で「1、2、3、4、5、6」とゆっくりカウントしながら、怒りの対象から一時的に意識を逸らすという方法です。カウントする余裕がない場合には、深呼吸をしながら「大丈夫」「気にしない」など、自分を落ち着ける言葉を心の中で繰り返します。
 
怒りの反応を遅らせることで、怒りに支配されることなく、言葉や反応を選んで適切に対応できます。日頃から6秒ルールや自分を落ち着ける言葉を意識していれば、いざというときに役に立つでしょう。

2.アンガーログ:怒りのパターンを記録する

アンガーログとは、怒りを感じた時の状況を記録するトレーニング方法です。具体的には以下の内容を記録します。
 
日時
場所
できごと
思ったこと
怒りの強さ(1-10の数値)
 
例えば、「4月15日 会議室で 部下が資料を忘れた 準備不足で困る 怒り6」のように、怒りを感じたときの詳細を簡潔に記録します。1週間継続すると、自分が怒りやすい場面や自分の状態、相手に対して「こうあるべき」「こうしてほしい」などの価値観が見えてきます。記録することで客観視でき、必要以上に怒りを表出してしまう事態を避けられるでしょう。
 
参考:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会 怒りの記録「アンガーログ」をつけよう
 

 

3.日ごろからのストレスマネジメント:心のコップを管理する

心の状態をコップに例えると、睡眠不足や疲労、悩みなどのストレスが水のように溜まっていきます。コップが満杯に近い状態では、小さなきっかけでも怒りが溢れ出してしまいます。
週に1回程度、以下の点についてチェックしてみましょう。
 
体の疲労感
睡眠への満足度
仕事やプライベートでのストレスが溜まっていないか
ストレスの原因となっている事象は何か
リフレッシュできているか
 
心のコップが7割程度溜まったと感じたら、ストレスに対処したり、リフレッシュする時間を作ります。長期的な視点では、規則正しい生活習慣・適度な運動・趣味の時間・信頼できる人と過ごす時間を通じて、ストレス耐性を高めることが重要です。
 
参考:怒りに支配されない自分をつくるアンガーマネジメント
 

【シーン別】アンガーマネジメントで人間関係を改善する方法

 

職場で部下や同僚にイライラした時の対処法

職場で相手にイライラした時は、まず6秒ルールを実践し深呼吸しましょう。「なぜ自分は怒っているのか」を冷静に分析します。
相手の立場に立って考え、相手に期待していることを整理してみると、自分が取るべき行動が見えてくるでしょう。
 
例えば、報告書の提出が遅れた部下に対し、頭ごなしに叱りそうになったら深呼吸しましょう。そして、「なぜ遅れたのか」を部下に聞きます。提出が遅れた理由から、今後の対策が見えてくるかもしれません。そして、同じことが起きないよう、一緒に解決策を考えましょう。
感情的に叱責するのではなく、建設的な対話を心がければ、部下との信頼関係を深めながら問題を解決できます。
 

子育て中の怒りをコントロールする方法

子育てをするなかで、子どもを怒鳴ってしまい、罪悪感を感じた経験がある方は少なくないでしょう。子どもに対し、必要以上に怒りをぶつけてしまうという悩みに対し、アンガーログのテクニックが役立つ場合があります。
怒りを感じたときの状況を記録し振り返ることで、自分の感情を客観的に捉えたり、怒りが湧き起こりやすい状態を避けられたりするようになります。そのため、怒りに任せて感情的に叱責する場面が減っていくでしょう。
 
親が怒りに支配されることなく、怒りをマネジメントする姿勢は、子どもにとって良いお手本になります。怒りを記録し振り返るアンカーログの実践で、親の心が楽になるだけでなく、子どもにも良い影響が期待できます。
 

夫婦喧嘩を避けるコミュニケーション術

パートナーとのコミュニケーションでは、「あなたはいつも○○しない」ではなく、「私は○○してもらえると嬉しい」と自分を主語にして伝えることが重要です。このコミュニケーション手法は、「アイメッセージ」と呼ばれ、自分の気持ちが相手に伝わりやすくなります。
 
また日頃からストレスマネジメントを意識し、ストレスや疲労を溜め込まないことも重要です。大切なことを話し合う際は、疲れているときを避け、心にゆとりがあるタイミングを選ぶことをおすすめします。自分がストレスを感じやすい状況を理解し、コントロール方法を知ることで、パートナーとの良好な関係を維持できるでしょう。
 
さらに、日頃から感謝の気持ちを伝える習慣により、お互いへの愛情が深まり、些細なことで怒りを感じることが少なくなります。毎日1つずつでも、パートナーの良いところをみつけて伝えてみましょう。
 
参考:​​厚生労働省 ピアサポーターに なりませんか? p.4より
 

まとめ:アンガーマネジメントで人間関係を改善しよう! 

アンガーマネジメントの実践により、職場や家庭でのコミュニケーションが円滑になり、あなたの人間関係はより豊かで温かいものとなるでしょう。心の安定や充実感の向上だけでなく、周囲からの信頼獲得も期待できます。
 
具体的なアクションとして、6秒ルールやアンカーログ、日頃からのストレスマネジメントを実践してみることをおすすめします。継続的な成長のためには、定期的に心の状態を振り返り、改善点を確認することが大切です。
あなたも今日からアンガーマネジメントを実践して、豊かな人間関係を築いていきましょう。
 
【参考文献】
怒りに支配されない自分をつくるアンガーマネジメント

厚生労働省 職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要 (令和5年度厚生労働省委託事業) p.14

一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会 怒りの記録「アンガーログ」をつけよう

・書籍「気持ちが晴れればうまくいく」精神科医 大野裕 p.118.119

厚生労働省 ピアサポーターに なりませんか? p.4


« 記事一覧へ